(27)村人Dは我慢する。
村人Dにも、何もかもうまくいかない日があります。
全く集中できないのです。
車に乗ってても道を間違えたり、アルバイトではレジの打ち間違い、家ではお皿を割る・・・。本当に最悪の人いうのが存在します。
そういう時は大体、体のどこかに不調があります。
でも村人Dは気づかないのです。
「うーん、頭が重いなあ、コンタクトのせいかなあ、目薬でも差しておくか。」と思っていたら偏頭痛の兆候であったり(薬を飲むのが遅れる)
「うーん、モヤモヤする。うつ再来かなあ。」と思っていたら歩くのも辛いくらいの胃痛になったり。
自分の体調に気づかないのです。
全て「集中力が足りない」に帰着します。
体調が悪いから集中できないのに。
ギリギリまで気づきません。
「立てていれば大丈夫」と思っています。
村人Dが通っていた小学校と中学校は生徒数が多い学校でした。
しかし養護教諭は1人。もちろん次々来る体調不良者に付き添う暇はありません。
なので「入室するときは学年とクラス、名前、どのような体調不良なのか、どうして欲しいのかを言う」というルールを設けました。
体調不良なのに1年生でも申告制。「で?」「それで?」「まだ我慢できる」「大したことない」と大体の生徒は追い返されます。
夏の食中毒では2回嘔吐してやっと保護者や病院に連絡します。
冬のインフルエンザは、体温が38℃を越したら連絡します。
そんな学校です。
学校というか、そんな養護教諭でした。
そして、村人Dの母親。
村人Dの母親は医療従事者です。
毎日重症人をみています。
なので少しくらいの体調不良も「そのくらい」といいます。
共感力がそもそもないので、人の辛さがわからないのです。
村人Dは自分が辛いのかもわからなくなりました。
「そのくらい」と家でも学校でも言われ続けていました。
村人Dも「そのくらい」と思って我慢をしていました。
体調だけではなく、メンタルも辛くなっても「そのくらい」と思っていました。
そして全て壊れました。
辛すぎて心が折れました。
「もう、頑張れない」と思いました。
少しでも「ちょっとは休もう」と思っていたら。
たらればを言ってても何も変わりません。
しかしこれからは変わっていけます。
自分を大事に。
自分最優先。